尾藤光一様(尾藤農産/北海道・芽室町)

●どうしてロゴマークのデザインに取り組もうと思ったのですか?

生来の好奇心ですかね。変わり種のパートナーに仕事を依頼すると、私たちの想像域を超えた結果に結びつくかもしれないと直感したんです。加工品をつくために農場の一角に工場を新設し、将来的に商品として販売したいという考えがあったので、ロゴやシンボルマークはあったほうがよいだろうと。事業計画やお金がどうのこうのよりも、ひとまずやってみようということで進めたと思います。

●ロゴマークができあがってどうでしたか?

「Bito」というロゴが筆文字風であるのも気に入りましたし、背景の緑も映えます。ちょうどファッション業界などでグリーンが流行っていた頃でしたよね。家族に見せると、反応がすごくよかったんです。

●尾藤農産の商品は増えていますが、売れ行きはいかがですか?

ロゴマークのおかげもあり、どれも好調です。とくに「越冬じゃがいも」といううちのブランド作物の販売によって所得増につながっています。ほかには農場の団結のしるしとしてアパレル商品もつくりました。農作業用のつなぎ、ポロシャツ、パーカー。家族やスタッフで揃いの作業着で仕事をするというのは気分がよいものですが、意外なことに農場を訪れるお客さんの中にそれをほしがる方が結構いるんです。

●最近、ロゴマーク入りのワッペンまでつくられていますが、尾藤農産のファンを増やしたいということですか?

そこが最終目的なんです。農家の所得を上げたい、労働環境を改善したいとなったら、固定のファンを増やすのが一番ですよ。「尾藤農産だからこそ」という価値を認めて信じてくれる固定のファンを少しずつ増やしていって、将来的には会員制の販売にしたい。そうすると、プレミア感も上がるじゃないですか。お客さんが何を喜んでくれるのか、どこに興味を持って商品を選んで買ってくれるのか。それを考えることが僕にとっても楽しいんです。

  

  

(「農と食と地域をデザインする〜旗を立てる生産者たちの声」本文より、一部要約)