つくり手の想いと熱量が、会場を満たした4日間。「FARMSTEAD EXPO 2018秋」

9月4日から7日の4日間にわたって開催された農業・食・地域の新たなイメージを五感で感じるイベント「FARMSTEAD EXPO 2018秋」。
会期中はたくさんの方々との新たな出会いをいただき、各企画とも好評のうちに終了することができました。

今回よりイベントタイトルを「FARMSTEAD EXPO」に一新。一次産業と食・地域の新たな姿をデザインを通して伝える、というコンセプトのもと、おなじみの生産者ブース、カフェ、トークセッションなどの企画がさらにバージョンアップされての開催となりました。
今回会場に集結したのは北海道から沖縄まで、農業、畜産の分野で活躍する9つの生産者さん。展示会初出展となる生産者の方々も多かったなかで、今後に向けての確かな手応えをつかんだ方も多くいらっしゃいました。
また会期中には天災の影響にも見舞われましたが、そんな中でも「今、自分たちができることをやる」との言葉のもと、ブースに立たれる生産者さんの姿が印象的でした。
 
 
生産者ブース展示
 
カントリーホーム風景(北海道・鹿追町)



安心・安全にこだわり、牧場しぼりたての生乳を使用した乳製品を製造・販売。生産牧場だからこそできる素材へのこだわりで、牛乳本来のおいしさを味わえるヨーグルトや牛乳などを、酪農家自ら想いを込めて一つひとつ手作りしています。
良質な生乳本来の味わいがしっかりと活きる、自慢の乳製品の数々。濃厚でなめらかな舌触りに、試食された来場者の方からも思わず笑みがこぼれます。

地元、北海道十勝の方々にはおなじみの看板商品、ヨーグルト「でーでーぽっぽ」。長年たくさんの人に親しまれてきたこのヨーグルトは今回のギフトショーが、パッケージ変更となり初めてのお披露目。
今回「FARMSTEAD CAFE」でも、こちらのヨーグルトを使用したパンケーキをお出ししました。
 
OSAKA DAIRY FARM(北海道・中標津町)



酪農の良さを後世に伝えたいとの想いのもと、はたらく人と牛に真正面から向き合いながら牛乳生産を行う北海道・中標津町の酪農牧場。ロボット牛舎を導入し、後継者不足の時代においても効率化よく作業が行える営農モデルを率先して実践するほか、循環型農業を取り入れた飼料の研究を行うなど、次世代の酪農スタイルの実現に向けて、さまざまな取り組みを行なっています。

そんなOSAKA DAIRY FARM、しぼった生乳はすべて農協(ホクレン)に出荷しており、6次化製品は造っていません。いわば、販売する商品がない状態での展示会出展となりました。

売るものがなく、直接的な取引には結びつかない。にもかかわらず代表の纓坂(おさか)さんが出展された目的、それが「酪農という仕事の素晴らしさを、多くの方に伝えること」。きつい、汚い、というイメージばかりが先行する酪農業。でもそればかりではない、ということを、酪農に携わる自分が率先して伝えてゆきたい。たくさんの人が酪農の素晴らしさを知って憧れを抱く、そんな流れが巡り巡って、酪農に携わる人々の誇りを作り、酪農業界全体を盛り上げることにつながる、と纓坂さんは語ります。

OSAKA DAIRY FARMがある北海道・中標津町は、酪農が基幹産業の一つとなっている町。「自分がこの場に立つことで、すこしでも地域で頑張る仲間に貢献できれば」と話す纓坂さんの姿が印象的でした。
 
万両屋(北海道・中標津町)



北海道中標津町の恵みをふんだんに使用した、北の大地の豊かさを感じるお菓子ブランド「なかしべつブルタージュ」を展開。口の中に広がるチーズの香りと濃厚な後味が魅力の「チーズブルトンヌ」「カタラーナ」の試食は常に大人気。独特の食感と素材が活きる味わいに、会期中も多くの方々から美味しい!の声が飛び交いました。

酪農のまち、中標津町産ゴーダチーズと生クリームをふんだんに使ったスイーツに、多くのバイヤーの方々から催事のオファーをいただくことができました。目を引くブルーのパッケージも、会期中たくさんの注目を集めていました。
 
とかちデザインファーム(北海道・帯広市)



「北海道・十勝」のおいしいを「美しく」発信する、十勝の様々な作り手の逸品を集めた弊社プロデュースのセレクト地域ブランド。商品を手がける生産者さんたちを知ってもらうための工夫がなされたブースには、訪れたバイヤーの方々も興味を持たれていた様子。

北海道・十勝の魅力を発信するブースには、連日多くの方々が訪れていました。
 
ファームステッドアパレル(北海道・帯広市)



働く人が自信とプライドを持って、かっこよく働くためのワークウェアを展開する、弊社オリジナルアパレルブランド「FARMSTEAD APPAREL」。本年5月にリリースされ、今回が初出展となります。

「一次産業の”働く”を、もっとかっこよく」をテーマにつくられたブース。実際に販売している商品の展示も行い、訪れた方々は手にとって質感やサイズを確かめていました。
 
東日本産直ビーフ研究会(千葉県・旭市)


 

口にする人と関わる人すべてが幸せになれる牛肉生産をめざし、品質の向上にこだわった独自の飼育プログラムを導入。トレーサビリティーの実施や、牛の健康バランスを考えたオリジナルの飼料「産直ビーフミックス」の給餌などを通し、安心・安全で高品質な牛肉を食卓に届ける、千葉県の牛肉生産者団体です。


ブースでは「しあわせ牛」を試食として提供。口に入れた瞬間に広がる脂の旨みとコク、おもわず笑顔でうなずく方が多数いらっしゃいました。
 
奥飛騨田中牧場(岐阜県・飛騨市)



「感動できる牛肉を届ける」を理念に、育てるひとの愛情が感じられる、やさしい味わいの肉質を追求する、岐阜県・飛騨市の田中牧場さま。飛騨牛ではなく、「TANAKA BEEF」として、世界を視野に牛肉のブランディング・販売に尽力されています。

今回会場では、「FARMSTEAD CAFE」にてTANAKA BEEFを使った特製ジャンバラヤを提供。やわらかく旨みが凝縮したお肉の味わいは、カフェでもとても好評でした。
 
ロジックシステム(徳島県・鳴門市)



昨年のギフトショーから毎回参加いただいている、ロジックシステム(T’s table)のお二人。「まるごと」をコンセプトに果汁はもちろん、果肉や皮にいたるまで、徳島の幸を余すところなく使用した手作りのドレッシングをつくっています。

弊社スタッフにも大人気の商品「すだちビネグレット」や「鳴門金時ディップ」「鳴門茎わかめドレッシング」のほか、今回は新製品の「ゆず味噌ママレード」がお目見え。お二人の軽快なトークを交えた商品説明に、ブースに来場された方の笑顔もはずみます。
 
和香園(鹿児島県・志布志市)



鹿児島県でお茶づくりを続けて70年余り。お茶(TEA)×健康(DIET)をコンセプトにした新ブランド「TEAET」で、急須を使わず自然で美味しいお茶を届ける、和香園さま。2月のギフトショーにひきつづき、今回もご出展いただきました。

老若男女だれもが親しめるお茶の楽しさ、美味しさを伝えたいとの想いのもと「TEAET」ブランドを立ち上げた、代表の堀口大輔さん。
土づくりからこだわり、自社工場で丹念に蒸し上げるお茶は、本来持つ美しい色合いとコクが存分に堪能出来る逸品ばかりです。
 
みやぎ農園(沖縄県・南城市)



環境負荷を低減した持続可能な農村づくりをめざし、有用微生物のはたらきを利用した循環型農業を実践。
美味しさが生きた安心・安全の野菜や卵加工品は、味わう人に笑顔を運びます。


微生物の力を利用したふかふかの鶏舎の中で、栄養満点の餌を食べて育った鶏が産む卵は、つややかで優しい味わい。みやぎ農園ではこの卵をつかって、自家製のマヨネーズも製造しています。添加するのは、最低限の素材のみ。産みたての卵ほんらいの風味を活かすことにこだわって作り上げたマヨネーズは、今回「FARMSTEAD CAFE」でも提供させていただきました。
 
生産者トークセッション
 
 
全国各地で活躍する生産者さんをお迎えし、毎回異なるテーマのもと「ものづくりへの想い」や「こだわり」に迫る、約1時間のトークセッション。


 

○9月4日生産者トークセッション
岩渕 一晃 氏 / 東日本産直ビーフ研究会(千葉県・旭市)
1日目のトークライブに登場したのは、千葉県内で、口にする人と生産に関わる人全てがしあわせになれる牛「しあわせ牛」シリーズの生産を手がける団体「東日本産直ビーフ研究会」の岩渕氏。

明確なトレーサビリティーを実施し、生産者の顔が見える牛肉生産を行うことで、消費者に安心・安全を届けることが大切であると話す岩渕氏。


トークセッションでは「しあわせ絆牛」の試食も振舞われ、会場全体にはお肉の良い香りが。
牛の成長ステージごとの健康バランスを考え抜いた独自の飼料「産直ビーフミックス」を導入し、独自の飼育プログラムによって育てられた牛の肉質は非常にやわらかく、旨みとコクがしっかりした味わい。
 
○9月5日生産者トークセッション
纓坂 直俊 氏 / OSAKA DAIRY FARM(北海道・中標津町)
2日目に登壇したのは、北海道・中標津町の酪農牧場「OSAKA DAIRY FARM」の纓坂氏。

日本の酪農業に対するイメージをもっとかっこよく変えたい、その想いのもと北海道・中標津町から駆けつけてくださいました。

OSAKA DAIRY FARMのある北海道・中標津町は、酪農業の盛んな町。この町で酪農業を営む一人として自分が酪農の素晴らしさを伝えることで、地域でともに頑張る仲間に貢献したい、と話す纓坂さん。
 
○9月6日生産者トークセッション
小田 哲也 氏 / みやぎ農園(沖縄県・南城市)


3日目に登壇いただいたのは、沖縄県内で循環型農業を実践しながら「しあわせな農業」の実現をめざす「みやぎ農園」の小田さん。契約農家への生き物が健康に、ありのままで過ごせるための環境づくりに尽力されています。

「しあわせの国」ブータンとの技術提携や自然の力を活かした農業への想いについて、お話いただきました。

セッションでは、卵本来の味わいを活かす作り方にこだわった、みやぎ農園オリジナルマヨネーズも提供。
 
○9月7日生産者トークセッション
堀口 大輔 氏 / 和香園(鹿児島県・志布志市)


鹿児島県・志布志市でお茶を作り続けて70年。栽培方法からこだわった和香園のお茶づくりを紹介するのは、代表の堀口大輔氏。

現地のお茶畑とをライブカメラでつなぎ、生産現場の「いま」の様子を来場者の方々にもお伝えしたトークセッション。
 
特別トークセミナー


会期3日目には、生産者トークライブのほかにも弊社ブランドプロデューサー長岡のトークセミナーも別会場にて実施。
農業生産者の方々のみならず、様々な業界の方にご参加いただきました。


講演終了後も多くの方々にお声をかけていただき、非常に充実したセミナーとなりました。
 
FARMSTEAD CAFE


前回に引き続きオープンしたポップアップコーナー「FARMSTEAD CAFE」。今回はカフェブースもメニューもさらに充実し、こだわりのラインアップで来場者の方々をお迎えしました。

東日本産直ビーフ研究会さまの「しあわせ牛」とみやぎ農園さまのマヨネーズをふんだんに使用した、フィリチーズバーガー。
 

奥飛騨TANAKA BEEFとみやぎ農園産赤オクラのジャンバラヤは、食べ応えのある味付けに。
 

とかちデザインファーム「十勝のうどん」にみやぎ農園さまの卵と和香園さまのゆずフレーバーティーをトッピングした特製カルボナーラ。
 

「十勝のパンケーキ」には、隠し味としてカントリーホーム風景さまのヨーグルトを練りこみました。
 

 



4日間、ブースの運営を手伝ってくださった学生の方々。
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開催概要
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第24回グルメ&ダイニングスタイルショー秋2018特別展示エリア
FARMSTEAD EXPO
農業をデザインする、現れる未来。
【日時】9月4日(火)、5日(水)、6日(木)
10:00〜18:00(最終日〜16:00)
【会場】東京ビッグサイト東展示棟東3ホール(東京・有明)
(東京インターナショナル・ギフトショー同時開催)
出展生産者様
●カントリーホーム風景(北海道・鹿追町)
●万両屋(北海道・中標津町)
●OSAKA DAIRY FARM(北海道・中標津町)
●とかちデザインファーム(北海道・帯広市)
●ファームステッドアパレル(北海道・帯広市)
●東日本産直ビーフ研究会(千葉県・旭市)
●奥飛騨田中牧場(岐阜県・飛騨市)
●ロジックシステム(T’s table)(徳島県・鳴門市)
●和香園(TEAET)(鹿児島県・志布志市)
●みやぎ農園(沖縄県・南城市)