お茶の美味しい国、台湾。
この地に暮らす人びとの暮らしは、まさにお茶とともにあります。
現地を訪れると小ぶりの湯のみにきまって何度も注がれる、烏龍茶や普洱茶。そうしたお茶もさることながら、台湾では高品質な紅茶も生産されていることをご存知でしょうか。
そして、その紅茶を台湾で造り上げたのがひとりの日本人だということは、意外なほど世に知られていないのです。
台湾の真ん中、台中の標高たかくに位置する風光明媚な湖、日月潭(にちげつたん)。
この地が紅茶栽培に最適と判断し、茶葉の栽培から紅茶の生産まで指導したのが、日本統治時代の技師、新井耕吉郎です。
没後70年になる今日に至るまで、”台湾紅茶の守護者”として現地で尊敬され続けている耕吉郎。
日月潭紅茶の生産を行う台湾の魚池郷農会では、日本人が栽培をはじめたという日月潭紅茶とそのストーリーを、ぜひ日本に紹介したいと考えていました。
日月潭の山頂から見下ろす湖と茶畑の風景はとても美しく、台湾屈指のリゾート地と言われるのもうなずけます。
弊社ではデザインブランディングを通し、日月潭が持つ幻想的な風景イメージと、渋みの少ないすっきりとした紅茶の味わいを表現するため、湖の風景のイラストをパッケージデザインに採用しました。
夕日に映える雲海は、思わず息をのむほどの荘厳さ。中国古来の水墨画を思わせる、幻想的な風景が広がります。
台湾中部、日月潭周辺の茶畑。高地の畑で朝晩に発生する霧が、良質な茶葉を育てます。
一煎目はもちろんのこと、二煎目、三煎目以降も深みを増す味わいを何度でも楽しめる日月潭紅茶。
飲み終わりに余韻のある旨みと、芳醇な甘みを感じられるのが特徴です。
近年は台湾五大銘茶とも謳われ、とても人気の高い日月潭紅茶。粉砕せず一枚のまま仕上げる茶葉はとても大きく、渋みがなくまろやかな味わい。
烏龍茶などと混同されないよう、英文主体のロゴデザインを採用。金色のシンボルマークは「日月」をかたどったもの。
美しい湖を想起させるパッケージイラストは、見る人に日月潭の雄大な景勝を連想させてくれます。
AGRI×DESIGN×FOOD EXHIBITION(東京ビッグサイト 2016年9月 当社プロデュース)に出展していただきました。
日月潭紅茶を盛り上げる立役者である魚池郷農会の幹事長、王さんも台湾より来日。日月潭の歩んで来たストーリーを熱く語られる姿に、トークライブの参加者も一様に真剣なまなざしで聴き入ります。
この日月潭紅茶をきっかけに、ひとりでも多くの日本人が日月潭を訪れ、そして多くの国際交流が生まれることを、我々も願ってやみません。