先日本社のある北海道帯広市で、私たちの3冊目となる書籍「農業をデザインで伝える —食と地域の課題を解決する方法」の出版記念と、会社設立10周年を兼ねたパーティーを開催させてもらいました。
地元十勝をはじめとして、本州、そして沖縄からもデザインブランディング活動でご一緒している皆さんにお集まり頂き、ありがとうございました。
思い返してみれば創業当初は何もかも手探りで、私たちの地元である北海道十勝という日本有数の農業地帯で、1次産業の分野、都会ではない地方、家族経営の農場や中小企業にもデザインブランディングの要望や期待があることを知りました。
そこに応えて課題解決の方法を提供する事こそが私たちのやるべき仕事ではないか、という思いに突き動かされて、道なき道をこの10年間を走り抜けてきました。
手探りで始めた農業や1次産業、食、地域の価値を高める、というそれまで誰も手がけていない分野の方法論を探していた時に、デザインをもとに企業のブランドや事業戦略を構築していく「CI計画」の考え方と手法を取り入れました。
今回、日本におけるCI計画の第一人者である中西元男先生と書籍で対談させていただき、今回のパーティーで基調講演頂いた事実は、何事にも変え難い、貴重な時間になりました。
中西先生の考えや哲学から、私たちの農と食と地域のデザインブランディングの方法「FI(ファームアイデンティティ)を確立することが出来たと考えています。
中西先生の言葉を借りるとすると「重要なのは情報価値。優れたシンボルは思想の凝縮である。企業は伝えるに足る価値を創造するとともに、イメージが半歩か一歩先を行く事が大切である」。
日本の農業界や食、地域に関わる方々には、この考えがもっともっと当たり前でスタンダードになるように、沢山の方にこの考えを伝えて、一緒に取り組んでいきたいと思っています。
今回のパーティーは、皆さんとのご縁の大切さを改めて感じる機会になりました。
生産者や事業者の皆さん、いつも地道な作業をしっかり行ってくれるファームステッドのスタッフ、そして日本全国を飛び回り、1年中ほとんど自宅にいない私たちを心身ともに支えてくれている家族にも、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います!