【2025グッドデザイン賞受賞しました!】

北海道芽室町、株式会社尾藤農産が取り組む雪室熟成じゃがいも「冬熟 (ふゆじゅく)」が「2025年度グッドデザイン賞」を受賞しました。

「冬熟」は、北海道の風土を活かしながら、環境負荷の少ない循環型農業と地域経済の継続的発展を両立させる、次世代の食のデザインとして生まれました。

審査委員の評価コメントとしては、「雪室で熟成させたじゃがいもにより味わいを高め、農産物に新しい価値を与えた点が評価される。ネーミングやパッケージを含めた統合的なデザインが、日常品としてのじゃがいもを「選ばれる特別な食材」へと昇華させている。物語性を伴った商品体験は贈答品やプレミアム市場にも広がり、食を通じて地域資源や生産者の思いを伝える。味覚・保存性・ビジュアルを一体的にデザインした新しい“食のデザイン”の姿を提示している。」

「冬熟」は、単なる商品開発ではなく、気候風土・地域資源・生産者の思いを丁寧に編み込んだ“食の再定義”とも言える取り組みです。

雪室という伝統技術に現代的な意味づけを加え、素材の個性を引き出す熟成という手法により、農産物が「感動」や「贈る価値」を持つ商品へと生まれ変わりました。

「冬熟」の開発にあたっては、雪室熟成による味の変化や保存性の向上に加え、見た目やストーリー性のある商品として成立させるため、ネーミング・パッケージ・販路に至るまで一貫したデザイン改良が重ねられました。

特にネーミングには「冬に熟す」という特性と季節感を込めて名付けました。

農産物にありがちな“日常品”という印象から脱却し、“選ばれる特別なじゃがいも”として認知されることを目指し、競合や類似品にも「雪室貯蔵野菜」は存在しますが、「冬熟」は熟成による味覚変化に加え、環境に優しい保存技術、販売期間の分散、ブランドとしてのストーリーまでを含めた“統合的な食の体験”を重視している点で明確な差異があります。

単なる保存技術の商品化ではなく、気候・文化・生産者の思想を活かし、持続可能な地域農業の象徴となるよう設計された点に、他にはない独自性があると考えています。

尾藤農産「Bito」のシンボルマークや各種パッケージデザインなど含めた、農場全体ブランドデザイン、そして今回の雪室熟成じゃがいも「冬熟」のブランドデザイン(ネーミングやパッケージデザイン)などを担当しています。

尾藤さんとお会いしてから15年が経過して、このタイミングで、このような評価を頂けた事、本当に嬉しいです。

10年ほど前に撮影した動画を見ていると懐かしく感じるとともに、積み重ねて来た重みも感じます。

私たちとしても、グッドデザイン賞の受賞は昨年に引き続き6回目となりました。

このデザインが評価されることで、「地域ならでは」の持続可能な農と食のあり方が、より多くの人に伝わり、広がっていくことを期待しています。

GOOD DESIGN AWARD 2025 受賞ギャラリー